MGSV TPP 「真実」についての解釈 その２ [ゲーム]
今年はデスストランディングが出るんでしたか。プレイできるのを楽しみにしています。
さて、昨年でしたか。
事故か何かだったのでしょうか、核廃絶エンドとされているものを自分も見ることができました。
そのエンディングを見た時、このセリフは誰が言っているものなのか不思議な感覚にとらわれました。
つまり、ヴェノムなのか、ビッグボスなのか。
ビッグボスは、ザ・ボスを否定した男です。
もちろん、彼は好漢だと思います。
でも、愛国者たちに対抗する勢力拡大によって「均衡」＝「平和」を目指そうとしたビッグボスが、
「自分の中の鬼を捨て」と言うものでしょうか。
ビッグボスは鬼を受け入れ、悪に堕ちたのです。
替え玉を犠牲に生き延びることを受け入れ、闇に紛れて生きることを選んだのです。
もちろんそれは、ゼロを止めるために、なのですが。
そういう意味からも、あのセリフはヴェノムのセリフなのでしょう。
「反戦」＝「平和」。
かつて、ビッグボスが言っていた「未来を夢見ることはできる」という言葉。
それを受けたヴェノムの、
経験した死や煩悶、パスのファントムが語った思い、クワイエットの最期、
それら幻肢痛が「銃を捨てる」願いに繋がったのなら、
彼はビッグボスと違う未来を描いたということではないでしょうか。
彼の思いはザ・ボスに近かったのではないかと思うのです。
世界大戦を止めるため、愛する弟子に殺されることを選んだザ・ボスに。
核攻撃の偽装データを止めるために、自らを海に沈めたザ・ボス（のファントム）に。
そう言えば、核廃絶エンドで流れる「地球上を埋め尽くす放射線マークが消えていく映像」は、
PWの沈んだ後に流れた「世界地図を埋め尽くすピースマークの映像」を思わせるものでした。
つまり、
ビッグボスの価値観の下で忠義を尽くしたかのように見えたヴェノムは
やはり「父」たるビッグボスの価値観を否定していたのではないかと。
鬼の映る鏡を叩き割り、鬼を否定したのではないかと。
ーー父殺し。親殺し。
子は、親を殺して（もちろん比喩です）一人前になります。
ヴェノムは、ビッグボスの理想を超克することで、もう一人のビッグボスになったのでは。
小島監督は、ビッグボス（蛇＝円環）に囚われた者（ユーザー）を解放することを
目論んでいたのかもしれません。
ビッグボスが、MGS4の最期で、ソリッドに「銃を捨てて生きろ」と告げたのは、
結局、歌うことを選んだザ・ボス、そして鬼を捨てることを選んだヴェノム、
それが平和への道だと、我々に告げたのではないでしょうか。
この解釈の方が、反戦・反核を旨とする小島監督らしいと思えるのですが。
さあ、前置きは終わりました。
ではまたラストシーン「世界を売った男の真実」を解釈しましょう。
カセットテープはビッグボスからのもの。
「思い出したか。」と語るビッグボス。
ヴェノムはとうに思い出しています。自分がビッグボスではないと当然知っています。
「これからはお前がビッグボスだ。」不敵に微笑むヴェノム。
頷きながら、核廃絶が（一時的にせよ）成ったあの日に夢見た、理想の実現を誓うのです。
そしてカセットテープの裏面。オペレーションN313。
ヴェノムが命を落とすことになるミッション。ビットコーダーに入れ、読み取り音が・・・。
これが意味するのは、メタルギア破壊指令を送りつけた（メタ的には一作目「MG」を起動した）のは
ヴェノムであるということ。
もちろんビッグボスの指示であろうと思われるのだが、その通りではないとしたら？
「嘘の情報を持ち帰らせるための作戦」、「ソリッドはやりすぎた」と
思っていない者がいるとしたら。
アウターヘブン蜂起を失敗させ、ビッグボスの力を二分の一にして、
ソリッドを「大きくする」ために。
ヴォルギンから賢者の遺産を取り上げ、ネイキッドスネークに自らの命を投げ出した、ザ・ボスのように。
つまり、ソリッドにとってのヴェノムは、ビッグボスにとってのザ・ボス。
ユーザーは、シリーズ主人公であり、最後を生きのびた「蛇」の、
そして真の平和の礎となったわけです。
と、まあ、こんな感じ。
また一つの解釈をしてみました。
これだとヴェノムは自殺したようなものですかね。
ビッグボス否定であったり、ザ・ボスの役割をある種なぞっていたりというあたりが、
ちょっとおもしろいのではないかと思います。
ところで、
本編ではビッグボスはイシュメール、ヴェノムはエイハブ、でしたね。
でも、ビッグボスも言っていました。
俺はお前であり、お前は俺だと。
エイハブはイシュメールであり、イシュメールはエイハブ。
見方を変えれば、ゼロという白鯨狩りに囚われ続け、闇に沈んだビッグボスこそがエイハブで、
無貌（スカルフェイス）という白鯨狩りを乗り越え、未来という救命ブイに縋ることのできたヴェノムがイシュメールなのかもしれませんねえ。
さて、昨年でしたか。
事故か何かだったのでしょうか、核廃絶エンドとされているものを自分も見ることができました。
そのエンディングを見た時、このセリフは誰が言っているものなのか不思議な感覚にとらわれました。
つまり、ヴェノムなのか、ビッグボスなのか。
ビッグボスは、ザ・ボスを否定した男です。
もちろん、彼は好漢だと思います。
でも、愛国者たちに対抗する勢力拡大によって「均衡」＝「平和」を目指そうとしたビッグボスが、
「自分の中の鬼を捨て」と言うものでしょうか。
ビッグボスは鬼を受け入れ、悪に堕ちたのです。
替え玉を犠牲に生き延びることを受け入れ、闇に紛れて生きることを選んだのです。
もちろんそれは、ゼロを止めるために、なのですが。
そういう意味からも、あのセリフはヴェノムのセリフなのでしょう。
「反戦」＝「平和」。
かつて、ビッグボスが言っていた「未来を夢見ることはできる」という言葉。
それを受けたヴェノムの、
経験した死や煩悶、パスのファントムが語った思い、クワイエットの最期、
それら幻肢痛が「銃を捨てる」願いに繋がったのなら、
彼はビッグボスと違う未来を描いたということではないでしょうか。
彼の思いはザ・ボスに近かったのではないかと思うのです。
世界大戦を止めるため、愛する弟子に殺されることを選んだザ・ボスに。
核攻撃の偽装データを止めるために、自らを海に沈めたザ・ボス（のファントム）に。
そう言えば、核廃絶エンドで流れる「地球上を埋め尽くす放射線マークが消えていく映像」は、
PWの沈んだ後に流れた「世界地図を埋め尽くすピースマークの映像」を思わせるものでした。
つまり、
ビッグボスの価値観の下で忠義を尽くしたかのように見えたヴェノムは
やはり「父」たるビッグボスの価値観を否定していたのではないかと。
鬼の映る鏡を叩き割り、鬼を否定したのではないかと。
ーー父殺し。親殺し。
子は、親を殺して（もちろん比喩です）一人前になります。
ヴェノムは、ビッグボスの理想を超克することで、もう一人のビッグボスになったのでは。
小島監督は、ビッグボス（蛇＝円環）に囚われた者（ユーザー）を解放することを
目論んでいたのかもしれません。
ビッグボスが、MGS4の最期で、ソリッドに「銃を捨てて生きろ」と告げたのは、
結局、歌うことを選んだザ・ボス、そして鬼を捨てることを選んだヴェノム、
それが平和への道だと、我々に告げたのではないでしょうか。
この解釈の方が、反戦・反核を旨とする小島監督らしいと思えるのですが。
さあ、前置きは終わりました。
ではまたラストシーン「世界を売った男の真実」を解釈しましょう。
カセットテープはビッグボスからのもの。
「思い出したか。」と語るビッグボス。
ヴェノムはとうに思い出しています。自分がビッグボスではないと当然知っています。
「これからはお前がビッグボスだ。」不敵に微笑むヴェノム。
頷きながら、核廃絶が（一時的にせよ）成ったあの日に夢見た、理想の実現を誓うのです。
そしてカセットテープの裏面。オペレーションN313。
ヴェノムが命を落とすことになるミッション。ビットコーダーに入れ、読み取り音が・・・。
これが意味するのは、メタルギア破壊指令を送りつけた（メタ的には一作目「MG」を起動した）のは
ヴェノムであるということ。
もちろんビッグボスの指示であろうと思われるのだが、その通りではないとしたら？
「嘘の情報を持ち帰らせるための作戦」、「ソリッドはやりすぎた」と
思っていない者がいるとしたら。
アウターヘブン蜂起を失敗させ、ビッグボスの力を二分の一にして、
ソリッドを「大きくする」ために。
ヴォルギンから賢者の遺産を取り上げ、ネイキッドスネークに自らの命を投げ出した、ザ・ボスのように。
つまり、ソリッドにとってのヴェノムは、ビッグボスにとってのザ・ボス。
ユーザーは、シリーズ主人公であり、最後を生きのびた「蛇」の、
そして真の平和の礎となったわけです。
と、まあ、こんな感じ。
また一つの解釈をしてみました。
これだとヴェノムは自殺したようなものですかね。
ビッグボス否定であったり、ザ・ボスの役割をある種なぞっていたりというあたりが、
ちょっとおもしろいのではないかと思います。
ところで、
本編ではビッグボスはイシュメール、ヴェノムはエイハブ、でしたね。
でも、ビッグボスも言っていました。
俺はお前であり、お前は俺だと。
エイハブはイシュメールであり、イシュメールはエイハブ。
見方を変えれば、ゼロという白鯨狩りに囚われ続け、闇に沈んだビッグボスこそがエイハブで、
無貌（スカルフェイス）という白鯨狩りを乗り越え、未来という救命ブイに縋ることのできたヴェノムがイシュメールなのかもしれませんねえ。
2019-03-27 14:39
